防災コラム

2015年2月19日

子どもに防災教育を

子どもに防災教育の徹底を東日本大震災から間もなく4年になる。4年の歳月が流れたとはいえ、被災した多くの人々の心は癒えないままだろう。最も多くの被害に遭った宮城県石巻市は、関連死を含めて3542人(平成27年1月現在)の犠牲者を出し、現在も430人の行方不明者がいる。なかでも市立大川小学校は、近くを流れる北上川が津波で逆流し、同校を襲い児童・教職員84人が死亡・行方不明となった。

大川小学校には、「学校がいちばん安全な場所であるのに」と厳しい批判の眼が向けられた。宮城県や石巻市が、1933(昭和8)年の「昭和三陸津波」を想定し、津波は来ないと考え、具体的な対策を講じてこなかったからだ。避難マニュアルには「近隣の空き地・公園等」とあるだけで、具体的な避難場所は記されていなかった。そのため判断が遅れ、多数の犠牲者を出してしまった。 一方で、岩手県釜石市では、1896(明治29)年の「明治三陸大津波」などの教訓を生かして、2004(平成16)年から群馬大学の片田敏孝教授の指導のもと、小・中学生に徹底した防災教育を実施してきた。その内容は、算数や数学の授業では、津波が到達するまでどれ位の時間がかかるかを教え、理科の授業では、津波のメカニズムを理解させ、国語の授業では津波をテーマに作文を書かせた。

さらに、岩手県に古くから伝わる「津波てんでんこ」が防災教育として取り組まれてきた。津波から身を守るためには、てんでんばらばらに素早く高台に避難するという、歴史から生まれた教訓だ。こうした日頃の生活の中で、子どもたちは津波の怖さを肌で知り、対処の方法も身に付けていった。その成果により、釜石市では小・中学生のほぼ全員が命を守ることが出来た。

M7クラスの首都直下地震が、この30年の間に発生する確率は7割で、犠牲者の多くは火災が原因と想定されているが、海岸線が多い神奈川県は、当然津波の心配もある。また、東日本大震災と同じM9で、30万人以上の死亡者が出ると想定される「南海トラフ巨大地震」の脅威もある。

こうした状況から、地震は私たちの生活の中で、決して避けては通れない課題となってきた。東日本大震災の教訓を生かすことが重要だ。特に、将来ある子供たちを津波などの自然災害から守らなければいけない。釜石市のような徹底した防災教育が必要である。


2015年1月17日

阪神・淡路大震災から20年

甚大な被害をもたらした阪神・淡路大震災から20年の節目を迎えた。1995年(平成7)1月17日午前5時46分、兵庫県・淡路島の北部、深さ16キロメートルを震源とするマグニチュード7.3の地震が発生した。

この地震の特徴は、東西方向に圧力軸を持つ横ずれ断層型発震機構で、神戸市や淡路島の一部地域では、震度7に相 当する揺れが発生したほか、東北地方南部から九州地方にかけての広い範囲で有感となったことだ。

総務省消防庁の統計によると、この地震による被害は、死者6,434人、行方不明者3人、負傷者43,792人、住家全壊104,906棟、住家半壊144,274棟、全半焼7,132棟にのぼったという。

「天災は忘れた頃にやってくる」という物理学者・寺田寅彦の言葉があるが、この未曾有の大震災を忘れようにも忘れられない間に、日本列島はいくつもの大規模地震に襲われた。2004年(平成16)新潟県中越地震、2007年(平成19)年新潟県中越沖地震、そして2011年(平成23)の東日本大震災であり、多くの被災者の悲しみを拭えないままでいる。

また、東京湾北部を震源地とするマグニチュード7クラスの首都直下地震が、この30年の間に70パーセントの確率で発生するとされ、さらに、東海沖から九州沖の太平洋海底に延びる溝状の地形(トラフ)付近で起きることが予想される南海トラフ巨大地震は、東日本大震災と同じマグニチュード9.0で、最大323.000人の死者が出ると想定されている。

こうした状況から、地震は私たちの生活のなかで、決して避けては通れない課題となってきた。阪神・淡路大震災、東日本大震災などこれまでの大規模地震の教訓を生かして取り組まなければならない。私たちの「命を守る」ためにはどうしたら良いか、ひとりひとりが考え、防災の意識を高めていく必要があるだろう。