液状化現象

液状化被害と対策

この度の東日本大震災では、M9と未曾有の大地震と津波により、多大な犠牲者と被害が生じました。中でも東京湾沿岸や茨城・埼玉県など関東地方だけでも1万7000棟にも及ぶ液状化による建物被害が問題になっています。

過去にも初めて1964年の新潟地震で信濃川河川や新潟空港、1995年の阪神・淡路大震災で神戸市のポートアイランド等で地盤の不同沈下・建物倒壊・ライフラインの寸断等があり、その都度対策も強化されてきましたが、今回の甚大な被害を受け国は関係学会・学識経験者と連携して、「液状化対策技術検討会議」を設置し、各施設共通の技術事項の検討・整理に入りました。

千葉県浦安市は面積の約4分の3以上で液状化し、道路や宅地で砂が噴出し、家が沈下して傾いたり、上下水道やガス管も破損しトイレやお風呂も使えず、復旧に多大な日数を要しています。湾岸の埋立地だけでなく、茨城県香取市の利根川沿いや埼玉県久喜市の水田を造成した地に多く発生し、特に地盤調査の義務付けのない宅地で被害が大きくなっています。
建物耐震化のみならず、地盤の地歴調査や液状化マップを参照にして、地盤の強化を図る必要があります。

いつ起きてもおかしくないと言われている、東海・首都直下地震、そのうちの東京湾北部地震では、3万4000棟もの住宅が液状化現象に見舞われると想定されています。
大切な資産である建物を守る為にも建物の耐震性の診断と合わせて地盤の液状化状況の調査をお勧めいたします。

液状化のしくみ

液状化現象とは、水分の多い地盤が地震の揺れによって液体のようになり、その強度を失い、地盤より重い建物は沈み軽い土管などは浮き上がらせて、建物やライフラインに大きな被害を生じさせます。
地盤の砂粒同士が互いにがさがさにうまくかみ合い安定していたものが、震度5以上の揺れによってその構造がはずれ、砂粒は水の中に浮いたような状態になります。砂粒は密に堆積し水圧の高くなった水は地表に噴出し、地盤は数10㎝の規模で沈下します。

また、堤防や岸壁などでは砂が側方へ流動し、2~3mの沈下を起こすことも多く、阪神・淡路 大震災で淀川河口左岸が崩壊しました。
液状化現象は、水位の高い湾岸の埋立地や河川・沼地・水田・盛土地などのゆるい砂地盤で起きやすく、各種工法によって、地盤を締め固め地盤改良致します。

液状化被害と対策

1.締め固め

  サンドコンパクションパイル工法
    地盤の中に砂杭を押し込む

2.脱水

   グランベルドレーン工法
     砂利の柱を作り、水を逃がす

   ペーパードレーン工法
     紙又は布の柱を作り、水を逃がす

   サンドドレーン工法
     砂の柱を作り、水をにがす

   ウェルポイント
     揚水管を設置し、強制的に排水する

3.固結

   薬品による固化
     セメント系の固化材で地盤を固める

4.地下室や地中壁を作る

   地中壁工法
     地下室や鉄筋コンクリート壁を地中に作り液状化層の揺れをふせぐ

5.杭を打つ

   杭工法
     堅い支持基盤まで鉄製又はコンクリート製の杭を打ち込む